彼の名は「ふろむさん」 VRChatterの一人だった
お!扉がありますねぇ~ と彼は言った。すると重厚な扉があった。
--妄創世言 第1章 3節より--
___ふろむさん___
ゲーム内でのIDは「from_soft」であり、
Twitterでは晩年を「ふろむさん」の名で過ごしていた。
その名を聞けば誰もが思い描いたであろう。
実際その通り、彼はFrom Software*1 の熱心なファンである。
口を開けば騎士だの甲冑だのと言ったワードばかりが出る… という事も無く、
女性の腹筋とかチョロQについても熱く舌を回す。そんな男だ。
その人は ある日突然
氷漬けにされた。
不愛想な表情。デスクトップ特有の中腰。けだるげな声の会話。
__彼はいつもそうして駄弁っていた。
興味があるのかないのか、平坦なテンションで会話を続ける。
いつも見かける彼の姿はそれだった。
ある時ノートPCを卒業し、VR購入をきっかけに元気よくメス堕ち。しかし程なくして何かを悟ったかのように急に落ち着きを取り戻した。
それどころか騎士甲冑に対しては、さながら一度闇落ちしたキャラが覚醒と同時に味方に再加入したかの如く磨きを増すようになっていた。
一体何を見たんだ?
そうして彼が立ち上げたのは灰狼騎士団。
詳しくは上記のリンクから…と言いたいところだが、生憎主体であった彼のツイートからのリツイートは凍結と共に消滅した。
__概要としては、甲冑好きで集まり、重厚な扉を前衛担当に開けて貰ったりしていた。
NEXTステージ、フルトラ。
なにを思ったのか彼は突然踊り始めた。朝も、夜も。
当時の彼の行動をお伝えしよう。
①ステップとかいうのを踏む!動画をツイート!
②クラブやPyPyでダンス!
③陽キャカップルがダンス後のクールダウンでイチャつくのを見て唇を噛む!
…PARTY HARD。
そんなダンス生活もツイッターアカウント凍結によって幕を下ろした。
(いや、ツイッターはVRChatではないんだけどね、なんだろうね。)
前回までのあらすじ おわり
断末魔を上げる事も無いまま人知れず凍結した後、最近みねぇなぁ なんて思ったり思わなかったりする日々。
ある時『ふろむさん凍結してない?』的なツイートを見つけた。
ホンマに~?と疑って確認したけど、本当に凍結してやんの。思わず笑ったね。
それからしばらくして俺達はF計画を開始することとなった。
Dear ふろむ.
https://vrchat.com/home/world/wrld_582ce709-49b2-467b-b0bb-9c437dcceacf
計画は進行している。
消えたものには墓を立てる文化が俺にはある。命に対してではなく、存在、在り方に対してだ。彼は『なぁーんてことしてくれちゃってるんですかぁまったく~』とか言って怒りにでも来ればいいんだ。
それが聞けるか、それとも墓だけがただ残るか。
彼が重厚な扉を見つけ、自身で開けるその時を待ち続けている。