相手を気持ち良くする気はないが、オナニー記事とは違う。俺のコイツは孕ませる気の記事なんだぜって話

『天使の私と悪魔の私が脳内で言い争っている』

こういう例えを貴方は知っていると思うし、また実体験として味わったことがあるかとも思う。要は二つ以上の観点からそれぞれ導き出された“自分の意思”が対立してしまい、葛藤している状況の事である。人は問題を見る時、何かしらの観点をフィルターとして条件や報酬を取り出す。意見の対立なんてよくある事だし、対立からどっちつかずの曖昧な選択をしてしまう事だってあるだろう。

 

『私の中の100人の私が会議を行い、満場一致で可決された』

これはどうだろう。自分の持つ観点一つ一つを「1観点を受け持つ代表」として擬人化するようなイメージで共有できるだろうか。会議室そのものか、モデレーターがいるならそれが統合された私自身といった具合になるだろう。天使と悪魔より複雑で、善悪に囚われずに意思決定を行う為、現実的かもしれない。議会が何か決める画をテレビなどで目にしやすいし、割とイメージしやすいのではないか。

 

少し変化させよう。

『私の中の100人の“人々”が会議を行う』

この“人々”とは、人生の中で関わってきた人の事である。その関わり方は、直接的対話はもちろん著書やコラム、tweetを読んだとか、絵を見た、曲を聴いたまで含まれる。

つまり“人々”は「自分にその観点を与えた者」となる。自分に特定の観点を与えたという点でのみ切り出された、あるいは曲解や誤解の元で創られた架空の人なので、当然本人とは大なり小なり別人となる。そしてそこに“自分”はいない。

伝わるだろうか。要するに、君の持っている価値基準やモノの見方というのは、常に誰か他人からの影響同士が混ざり合ったモノであるという事だ。完全な自力によって己から基準を生み出すという事は非常に難しく、超初歩的なものを除けばまず君の脳内議会に君の席は無いだろう。そうでなくては修行や瞑想なんて存在しないんじゃないか。

 

そこでだよ、うん、ここからが本題なんだ。もし、君の脳内議会の席をこの俺が全て占領していたら、あるいは議会における俺の発言権が突き抜けて高かったら、どうだろう。そうだったら君は殆ど俺なんだよ。俺の一部からできた、俺のクローンだ。

ばかげてるって?いやいや、ヒト一人の議会を支配するのはそれこそ洗脳だが、末席に座る事ならできそうだろう?それで一席にでも座れたらそれはもう局所的クローン…いや、フランケンシュタインのイチパーツ…うーん、つまり『“君の一部”として“部分的な俺”が混入する』という事になるんだよ。俺が今死んだって、俺の思想が君の頭の片隅で生きていて、君の判断に影響を与えるかもしれない。俺の思想を受けた君の判断は俺の判断でもあり… なんてね。気持ち悪いと思った?寄生虫や悪霊、あるいは宗教の類みたいだろう。まぁどれも間違っちゃあいないな。

でな、そうやって誰か他人の中に“複製された自分”がいて、その人の中で行動指針として生きているって状況さ…ちょっと興奮しない?

 

実は偶然にもこういう分野の事を扱ったVtuberが(知る限り)一人いて、名を「赤月ゆに」という。

www.youtube.com

丁度、俺が他人の議席に居座る事に何かを見出し始めて何かを口走っていた時、タイミングを合わせるかのように彼女は以下の動画を投稿した。

youtu.be

なんだか捉え切れないが感じていたモノを、ガッチリと説明しきって見せたのだ。もう暫く前の事だが、その衝撃たるや。

彼女は吸血鬼で、吸血鬼は眷族を増やすことを目的としている。吸血鬼にとっての眷族とは人間にとっての子孫と同義であり、吸血による種族のコピーは人間にとっての性交による遺伝子のコピーに相当する。とまぁざっとそんな所から動画は始まり、“ミーム”を中心に話しが展開していく。というかもう俺の記事よりゆにちゃんの動画見た方が楽しくてわかりやすいんじゃない?まぁ話の重心が微妙に違うから、同じではないんだけどさ…。

まぁまぁ、話を戻そう。詰まる所、彼女は彼女の持つ知識や思想を自らの遺伝子と捉え、ネットを介してそれら遺伝子を受け取った人間を眷族として捉える。といった具合だ。それに倣えば、もともと種を持っていたとはいえ圧倒的速度で芽吹かせられたという点で間違いなく俺は彼女の眷族であると言える。そうして、自分とゆにちゃんの遺伝子を混ぜた文章を今こうしてネットの海へ… ハッ!?これってもしや……!

 

ごめんね、ゆにちゃん好きだからさ、興奮して話がそれるのは許してよ。

 

えー、それで、つまり、そう!俺が『他人の議席に居座る』事に快楽を得るのは、それが肉体換算で性交あるいは托卵に相当する行為であるからだと導き出せるんですよ。

物理的肉体ではない、精神的思想のセックス!

ええ、ええ、大方ここまで読んでしまったという事は、貴方の脳内会議にはもう俺が参加しているでしょうね。君はもう俺の子を妊娠してしまったんだよ。あぁ!残念だねぇ、君の頭の片隅には俺の思想か、文章か、話し方か、単語か、いずれにせよ俺の1パーツが、既に我が物顔で座り込んでいるんだよ!

…イメージした?「自分の考えている事」が沢山の人の怒号による集合体で、その人達の中に、この記事の著者である俺が紛れ込んでいる光景を?イメージしたなら、もうお前は俺の子を身籠った俺の子だ!違いないぜ。だってよ、この記事を読む以前まで、アンタは自分の”考え”をどうイメージしていたよ。それは今と同じか?違うだろう!!

 

…多分に取り乱してしまった、申し訳ない。そしてもう一つ謝らなくちゃあならない。この記事を書き始めた時は大きな感情があって、それを書き殴っていたんだ。でも、もうその感情を忘れてしまった。でもまぁ、大丈夫だろう。その時の感情は今の俺には無くとも、君の中の俺が持っているはずだ。後はそいつが全部話してくれるさ。じゃ、そういうわけだから、よろしく